何が発表された?
旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)は、法人出張(BTM)の手配業務における見積もり作業に、AIエージェントとロボティクス(RPA)を組み合わせた自動化システムを導入しました。2026年4月半ばに運用を開始し、同年7月には一定割合の見積もりメールを人間の修正なしで送付できるようになっています。この取り組みにより、拠点における業務時間は月100時間削減されています。
ここがポイント
- 従来型AIの限界を突破:2023年ごろからの実証では非定型なメールの読み取り精度が課題でしたが、2025年にUiPathのAIを活用することで転機を迎えました。
- スコープの絞り込み:6工程ある出張業務のうち、まずは「単純往復」の見積もり作成とシステム登録に限定して自動化しました。
- セキュリティ基準のクリア:顧客情報をAIに扱わせる際のセキュリティ制限をクリアし、大手金融機関の事例なども参考に稟議を通過しました。
- 段階的な拡大:2026年8月からは関東地区の全顧客へ利用を広げ、フェーズ2では予約や請求業務への展開を計画しています。
仕事でどう使う?
非定型データ(メールなど)の処理にAIエージェントを活用する際は、まずは業務フローの中で「最も定型だが量が多い」または「単純だが頻繁」な工程に絞るのが有効です。HISの事例では、複雑な周遊案件を人間に残し、単純往復の自動化に注力することで、コンサルタントの専門性を活かせる時間を作り出しています。また、社内のセキュリティ規定を事前にクリアするための、他業界の成功事例を用いた説明も重要です。
まとめ
HISの取り組みは、AIを「決定者」ではなく「アシスタント」として位置づけ、最終的な判断は人間が行うという姿勢が特徴です。簡易的な作業をシステムに任せることで、コンサルタントが顧客への提案や緊急対応に集中できるようになり、旅行会社としての価値提供を強化しています。業務の属人化を解消し、AIと人間の役割分担を明確にするアプローチは、他の業界でも参考になるでしょう。
参考:HISが月100時間を削減 AIエージェントで法人出張の見積もり、どう自動化した?(ITmedia AI+ 最新記事一覧)